バイト終了直前

バイトに入る前から「予感」はあった。
耳の下辺りのリンパ腺……でいいのだろうか、そこがやたら疼いていた。
不快な、あの胆汁を思い起こさせる味覚が体内で暴れているのが判った。
ちょっと一息、水を流し込む。
ちょうど「胃」と呼ばれる辺りであろうか、やけにしみるのがわかる。
水を飲んだ事による爽快感が胃に染みたのではない。
水の冷気によってその辺りが酷く冷やされていくのが判った。
バイトの終わり頃、僕は大体店の日報をまとめてパソコンに打ち込むのが日課になっている。
その時、気が緩んだか何か。
突然吐き気をもよおした。息は荒れる。脳に酸素が巧く渡らずに顔全体に痺れが走った。
僕は椅子に座っていた。だが、この悪寒はどうしても椅子に座るだけでは治まらなかった。
不意に地べたに座り込む。息は依然荒れたまま。
視界が何か砂嵐に巻き込まれたみたいにちらつく。
「く…………?」
暫くして、「悪寒」は収まった。
多少の違和感はあったが、僕は何とか日課を終わらせて帰路につくことが出来た。


以前にもこのような体験をした事はある。
それは決まって、ストレス過多な時に訪れる物であった。
そして、決まって吐き気・喘ぎ・顔面または脳内の痺れをもたらしてきた。
それが一体なんであるのかは分からない。いや、医者に診てもらえば言いだけの話。
だが、自分には健康保険というものが無い。
病院に行けば、診たての全額を支払わなければ成らない。
無性に腹が立った。そんな物の為に、医者に払うお金など無い。
こんな物、ストレスが溜まって止むを得なく和光の外面に表れただけに違いない。
大丈夫だ。そう自分に言い聞かせるも、再発を怖がっている自分が居る事を
忘れはしない…………。


この話は、事実を基に誇張して文章にした物です。余り真に受けないでね。
膨満感は事実です、悪しからず。
それにしても、急に吐き気・喘ぎ・痺れとは、一体僕は何をやらかしたのだろうか。