ひぐらしノ声の鳴く処で

本当にヒグラシはいるんだろうかという事で、山の方へ車を走らせてみました。
時は夕方、家から峠一つ越えようかという辺りで、物悲しいシンフォニーが流れてきました。
「カナカナカナ……」
あ、やっぱりいたか。


子どもの頃、伊豆に行った時に聞いた事のない音色に包まれて、山道を駆け上った記憶があります。
その音色というのが、ヒグラシ。
「カナカナカナ……」という、血気盛んな子供心を妙に落ち着かせてくれるような、そんな鳴き声でした。
……その音ばっかりでうんざりした事もあったりなかったりしましたけれども。
山に行けばヒグラシはいるもんなんだと、当時から思っていました。
普段過ごしていると殆ど聞くことの出来ない鳴き声なので、自分の中ではヒグラシは山の蝉なんだと思っておりました。
んで、今住んでいる場所も山深いとまでは行きませんが、自然の多いところなのでいるのかなーと思ってたらいなかったという訳で。
もうちっと山奥に行かなければ出会えないのね、ヒグラシさん。