ラスペ21話公開前にはやっておきたいと思ったのですよ。

『第五回SRC学園シナリオコンペ』 SRC学園のなかまたち

インターミッションが何ともほのぼのするっ!!
という事で、学園シナリオコンペも第5回を迎えました。
各作者さんの努力の痕が伺えます。お題が『太陽』なだけあって、日焼け(苦労)なされたんじゃなかろうか。


『学園全域停電中!』 マイヤーさん
『太陽』を『電気』と捉えた、高速スライダー気味のシナリオ。
今までの緻密なマイヤーさんのシナリオとは、一線を画しているような印象を受けました。
物語の展開がマクロからミクロへと流れているんだけれども、
そのミクロたるキャラクターの選択に苦労したんだなぁと感じられてなりません。
主要3キャラがどれも自己主張の強いキャラなだけに、勢いで乗り切った感じを強く持ちました。
(自分のシナリオにも言えることだけどさっ!!)
まぁ、味といえば味になるんだろうけれども。
や、全体的にライトチックな話で、プレイして楽しかったのは事実なのですよ。


『太陽は答えない』 浦瀬ヒガタさん
『太陽』が物語全体を包括している感じ。1回降雨コールドゲームみたいな?
く……、クリックで動かないだとっ!?
SRCでは珍しく、サウンドノベル型のシナリオ。
落ち着いた文体、抑揚のある展開……。
そしてバックで流れているセミの鳴き声に聞き惚れながら、その世界にどっぷりと浸からせて頂きました。
二宮にとっては、そのセミの鳴き声が物悲しいサウンドに聞こえてしまうのでしょうね。


『FreezingSun』 シャアペンさん
『太陽』が苦手な2人のお話。ストレート真っ向勝負なシナリオ。
あ、アメリアさんっ! 最初からそうしたら良かったのにっ! 倒れずに済んだのにっ!!
物語としては、個人的には好きな内容でした。優貴さんの役どころが非常に美味しいなぁと。
言葉じゃなくて、行動で相手を納得させるというシチュエーションは、グサッと刺さりました。
だからこそ、細かいところが惜しいなぁと。
シーンが一区切りした時に、Waitか何かで間を持たせても良かったかもしれません。
ずっとメッセージ表示だと、ちとテンポが読みにくいなぁと思いました故。
「深刻な重症」 → 「深刻な状況」もしくは「重症という訳では〜」かな。
言葉の意味が重複しているように感じます。
「そろそろ死にそうなんだけど……」→ ギャグにしか捉えられなくて、ちと残念。


『葵』 深緑の鼓動さん
『日まわり』なシナリオ。スローカーブ外角一杯ストライクみたいな。
あっはっは!! 『日向葵』に吹いた!
ここで日向陽一とか出てきたら面白かったけど、ちっ。
テーマである太陽が、日向葵→向日葵→太陽みたい というギミックはちょっと判り辛かったかもしれない。
確かに未早矢さんは振り回されてばかりだったけど、ただそれだけだったように思えてしまいました。
『正義漢』『元気』『勢い』だけでは、太陽みたいな奴と思わせるには何かが足りないような気がします。
色々言いましたが、日向葵さんの負けん気の強さはなかなか良かったなぁと。


『7thday』 パンさん
『太陽』は何でも知っている。剛速球でキャッチャーと内野席を吹き飛ばすほどの威力を持つシナリオ。
うぬー、これは凄まじい。復讐の裏返しがエライ方向に向かってたなぁ。
一人ひとり殺されていく恐怖を感じながらプレイさせていただきました。
しかし、何と言っても圧巻なのは死んでいった各キャラクターの個々の能力を巧く利用した美咲。
誰一人欠けていても、最強たるほのかは倒せなかったんだと思います。
キャラクターとフェイティアを上手く混ぜ合わせたシナリオだと感じました。


あと、エロ漫画を出したところに流石パンさんだなぁと感銘を受けました。
え? 違うって?


『結3条植物園』 高野M明さん
キミが『太陽』だ! バックスクリーンに投げ込んで、地球一周して逆ストライクを取るようなシナリオ。
パンさんのシナリオがガチシリアスだったのに対して、大きく方向転換してくれてある意味助かったー。
個人的にはこういうハチャメチャなお話も好きですよー、作者氏。
データすらギャグにしてしまう発想に脱帽した! もう少しでお茶がパソコンに掛かりそうになりましたよ……。
あと、三条結さん格好良過ぎです。一枚絵の破壊力もあるけれども。
これまでの回想シーンは、あの人だったんだという事が判ると、
ギャグという仮面に隠れた熱き物語である事に気づきます。うぬー、流石だ。



総括として。
まずはシナリオコンペに参加した皆様、お疲れ様でございました。
前回の『落書き』よりも明るめのシナリオが多い印象を受けました。
題材が『太陽』ですから、物語も明るめになったのでしょうね。
そして、「海岸に行く」で登場人物が喋ってくれるという粋な計らいも。憎い演出ですのう。
毎回感じる事ですが、1ヶ月でここまで仕上げてくる皆様方の熱意と行動力と企画力には頭が下がります。
第3回の参加者が多すぎたのもあるのですが、回を重ねるごとに参加者が減っていっております。
しかし、これだけのレベルを保っているコンペも珍しいのではないかと。
これからも続けていって頂きたいと思う次第です。