そして文章練習という事で

制限時間、10分間。

よーいっ!


「うふ、可愛い」
「いきなりだから……、その……」
それは、突然だった。
突然だったから、戸惑うしかなかった。
その次の行動なんて、頭が真っ白になって、何かを思いつくことなんて。
そんなの、無理に決まっている。
動揺している俺を、沙紀は俺の瞳をじっと見て――、
「でも、和真くん。これが、私の気持ちだから」
温和な目が、俺を包み込んでくれる。
「……お願い」
だけど、何かに懇願するように、小さく呟いた。
俺には、その原因がわかる。
判るからこそ、沙紀の気持ちを受け入れられずにいた。
だって俺には、アイツが……。
「ちょっとは――!」
沙紀の、俺の袖を掴む力が強くなる。
その懇願する目は、更に深みを増していた。
「見てくれたって、良いじゃない……」
そしてもう一度、その行為を。
俺は……。
拒む事は出来なかった。
その、純粋な気持ちに、応えなきゃって思うと、拒否する事など、出来なかったんだ。


それが、沙紀からの、初めてのキスだった。



結果、18分で書きました。
一体何書いているんでしょーねー。